#01SUR都市建築事務所

高田馬場駅、戸山口から徒歩5分。
細く長い坂道を登った先にある、SUR都市建築事務所を訪ねました。

SUR都市建築事務所は、浦田さん、篠崎さんのユニット。
『地熱利用のパッシブソーラー』という一歩先を行くパッシブデザイン住宅を提案しオリジナルのスタイルを確立しています。

パッシブデザインとは、エアコンなどの機械に頼ることなく、自然エネルギーをそのまま利用して、快適な家づくりをしようとする設計手法のこと。

まずは、お二人が一緒に設計事務所を始めたきっかけについて尋ねてみました。
お互いに共感できるところがあったのでしょうか?

浦田・篠崎
さあ〜(笑)

おっと、一筋縄ではいかない様子。
笑いがおきて、場がなごみはじめます。

浦田
篠崎は友人の妹さんで、もともとお互い知り合いだったのですが、偶然にも二人とも、大学で建築の勉強をしていました。卒業後もそれぞれ別の職場で建築設計の仕事に携わっていていたのですが、あるとき、共同で大きなプロジェクトをやることになって。それがユニットを組んだきっかけです。
篠崎
それから、建築設計ってひとくちに言っても、様々な要素があるでしょう。設計者によって、何を重要視するかはそれぞれ違いますが、わたしも浦田も、学生時代のころから温熱環境という視点を大事にしていました。それが、今まで続いている理由かな。
篠崎さん(左)と浦田さん(右)

ユニットを組んでからではなくて、組む前から、お二人とも温熱環境に注目していたんですね。

篠崎
わたしたちが設計監理した家で、オール電化住宅で暮らしている建て主さんがいるんですが、その方から聞いた話では、冬場の1ヶ月にかかった電気代と、売電した電気代がそれほど差がなかったようです。1年の中で最も光熱費がかかると言われている冬でもそうした結果ですから、おそらく1年間の電気代としては得になるのではないかしら。

今や個人でもエネルギーを売買できる時代。
最近の省エネ技術の進化には目を見張るものがありますが、それをうまく住宅にとりいれることで、今まで想像もできなかった恩恵を受けることもできるようになりました。
SURは、建築家のデザインに全く違った価値観を投げかけています。

浦田
でも一方で、徹底的に省エネをつきつめてしまうと、デザイン性が低くなってしまうんですよ。だから、そのへんのバランスをうまくとりながら設計しています。
篠崎
まあ、もともとデザインは派手なほうではないよね(笑)。
浦田
そう。ほかの設計事務所とくらべると、デザインは控えめ、性能は重視、というふうに見えるかもしれない。
篠崎
だからかもしれないけど、うちに来てくれるお客様は、目に見えない性能のことをきちんと考えて、まじめに良い家を建てたいという人が多いですねえ。本当にお客様には恵まれていますよ。天使みたいな方ばっかり(笑)。
浦田
確かにそれは、僕もそう思う。

家としての基本要素―空間のここちよさ、使い勝手の良さ、優れた構造や性能―これらをきちんと備えた住宅を設計するのは、建築家としてあたりまえのことですが、実際には表面的なデザインに偏ってしまう建築家も少なくありません。
そういったなかで、SURの設計した住宅は、親しみやすいデザインでありながら、地熱を利用するなど、実は非常に先進的な工夫がなされています。
それもそのはず、お二人に建築家以外で、やってみたかった職業を聞いてみると・・・

篠崎
わたしは科学者に興味がありました。理系だったし。
浦田
僕は天文学者にあこがれていたことがありました。今でも時間ができたときなんか、空を見上げてますよ(笑)。ただ眺めているだけのときもあるし、面白いかたちの雲が浮かんでいたりしたら、写真を撮ったりもします。

なるほど。雲を眺めて写真を撮るなんて、浦田さん、なかなかロマンチックな一面を持っていらっしゃいますね。

浦田
もともと美術に興味があって。写真は好きですよ。学生時代は建築の勉強よりも没頭していたかもしれない(笑)。
篠崎
わたしはお料理が好きです。食べるのも作るのも両方。料理って作品に近いですよね。無形の材料からなぜこの形になったのか。それを考えると料理人てすごいなーと思います。
一番好きなのは和食かな。
浦田
僕はイタリアン。

お仕事以外の話をうかがっていると、お二人のキャラクターがじわじわと伝わってきます。
ちなみにお休みの日は何をしたいですか?

篠崎
休み?そういえば私、最近休んでないわ(笑)。
浦田
なかなかまとめて休みをとるのは難しいけれど、お休みが取れたら、僕は旅行に行きたいです。行ったことのないところに行ってみたいですね。うーん、南のほうかな。南の島とか。
篠崎
私も、今年と来年は旅行に行く予定しています。3年前くらいから言ってたのに、ずるずるここまで延ばしてしまいました(笑)。

お二人とも、好奇心が強い。
旅行、そして、食べることがお好きなんですね。

篠崎
いまはもうなくなってしまったけど、この近くに美味しい洋食屋さんがあって、打合せがあるときには、お客様をお連れしてランチしたりもしていましたよ。
浦田
やっぱり一緒に食べるってことは、親しくなれますしね。
篠崎
そういうコミュニケーションは大事だよね。
あと、わたしたちは、お客様の現在のお住まいを見に行くこともあります。
そうすると、お客様が実際にどんな暮らし方をしているのかがわかるので。
浦田
その人に合った収納計画をするためにも、とても良い参考になるんですよ。

なるほど、たしかに理想の家や暮らしを思い描いて設計をするのはいいいけれどどう住むかが一番肝心なところ。
お客様の現在の暮らし方を拝見するのは、よりフィットした住まいを提案するうえでとても有効な方法と言えそうです。
ほかにも家づくりをするうえでお客様に対して特に大切にしていることはありますか?

篠崎
お客様にとっては唯一の家なので、世界に一つしかない家にしたいと常に心がけています。仕事が多いときこそ、特に大事なことと心がけています。
浦田
そうですね、そしてそのうえで竣工したときにお客様に喜んでもらえたら、やっぱりその瞬間は一番うれしいです。
篠崎
それこそ、引き渡しをしてから1年くらい経ってから言われるのが本当にうれしいよね。
浦田
そう。暮らしたときのことを想像して設計したことが、お客様にとって、本当に暮らしやすいものだとわかったときは、うれしいよね。

これから建築家との家づくりを考えているお客様へ、メッセージがあれば、どうぞ。

浦田
もちろん、こちらがお客様に信じてもらえる良い仕事をするというのが前提ですが、わたしたちの経験に基づく提案を、信じて任せていただけるのであれば、家づくりのパートナーとして、できるかぎりご期待にお答えしたいと思います。

お客様と建築家がお互い信じ合える関係でいられるということが、良い家をつくる秘訣ということですね。

設計事務所らしく、模型が沢山あります。
最後にスタッフさんを交えて1枚。

今回のインタビューはSUR都市建築事務所さんでした。
篠崎さん、浦田さんありがとうございました。