THE SEA'S TIMES
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THE SEA'S TIMES VOL.4 カフェのある家

楽しむ家づくり

通りから見る。右が自宅、左が奥様が経営するカフェ。

今回は千葉県市川市に建つT邸を取材しました。Tさんご家族は、ご夫婦と小学生になったばかりの息子さんの三人で暮らしています。 家づくりのきっかけから、建築家 大川三枝子さんに理想の家づくりを依頼するまでを、ご夫婦に聞いてみました。

設計事務所に依頼することも考えていなかった

2階のフリースペース。
梁を利用して将来的には壁をつくることも。

妻 「以前は社宅に住んでいたのですが、居住期限があり、いつかはそこを出なければなりませんでした。」

新しい住まいに自分なりのイメージを持っていたTさんは、自分の理想が実現できる注文住宅を希望していました。祖父母の家に住む人がいなくなって、土地を譲り受けることになり、真剣に家づくりを考え始めます。
Tさんは最初、ハウスメーカーにプランをお願いしていましたが、なかなか思ったような提案が出てきませんでした。 そんなとき、お母様が言ったなにげないひとことが、Tさんを思いがけない方向へ導くことに。

妻 「お店でもやってみたら、と言われたんです。」 そのことをきっかけに、Tさんは自分らしい暮らし方について考え始め、もともと料理をしたり、ひとに振る舞うことが好きだったので、カフェのある家を建てることにしました。すると自動的にハウスメーカーという選択肢が消え、いろいろな要望に対応できる設計事務所を家づくりのパートナーとして選択しました。

興味から共感へ、共感から信頼へ

シンプルなアイランド・キッチン。 シンプルなアイランド・キッチン。
ぐるりと回れて家事がしやすい。

南側の階段・吹き抜けの光 2Fの寝室は、南側の階段・吹き抜けの光を
内窓から採り入れる。

妻 「数か月のあいだ、インターネットでいろいろな設計事務所のプロフィールや事例を見ていたところ、オオカワ建築設計室のホームページを見つけました。キッチンを大切にした家づくりや、手がけた家の雰囲気が自分のイメージしていたものと合っていたので、すぐにメールで問合せました。」

近々オープンハウスを開催するということで、Tさんは早速足を運び、実際の作品を見てますます気に入りました。 そこで大川さんにお会いしたTさんは、「森を眺めるための家」という家づくりのブログを紹介してもらいます。

ブログには陽射しの入り方など、細かいところを配慮しながら設計している様子が書かれていました。 読み進めていくうちに家づくりの考え方や、女性ならではの視点に共感したTさん。後日そのことを大川さんに伝えると、そのお宅に訪問する機会を設けてくれました。

妻 「そんなやりとりの中で、「この人なら」という信頼を持てていたので、大川さんに私たちの家づくりをお願いしました。」

夫「フローリングは無垢がいいとか、階段はこんなふうにしたいとか、断片的なイメージしか持てていなかったんですが、大川さんがそれをまとめて、かたちにしてくれたと思います。」

お店をやってみたら、と言われたことがきっかけで、自分らしい暮らし方をあらためて見つめ直したTさん。それを実現してくれるパートナーになっていただいたのは、建築家 大川三枝子さんでした。家づくりのプロセスでは積極的な意見交換をしたそうですが、そのかいあって、家の住み心地にはとても納得されているようでした。



バスルームに隣接するように洗面室・トイレ・洗濯スペースが一体になった、1Fのサニタリースペース。実は初めて大川さんから提案されたときは、抵抗があったというTさん。お子さんのトイレトレーニングや、将来的に介護が必要になったときのことを考えると使い勝手の幅が広がると大川さんからすすめられ、また2Fに個室トイレがあることもふまえて、オープンタイプにすることにしました。 出来上がってみると、2か所以上ある窓によって明るく風通しの良い、広々とした思いのほか気持ちの良い空間。トイレ→脱衣→入浴→身支度という生活動線、そして縁側に出られるので、脱衣→洗濯→干すという家事動線が連続して、とても使いやすいことに驚いたと言います。 既製品のセレクトだけではない家づくりを進めていくと、自然と自分らしい住み方を見つめ直すことになります。 Tさんのように自分らしい住み方がかたちになったとき、自分の想像を超えるような嬉しい驚きを味わえるのも、建築家との家づくりの醍醐味のひとつと言えそうです。


カフェをオープンしてから

店主でもあるK.Tさんに、カフェについて聞いてみました。
焼き菓子とコーヒーのお店bra tid ブログ

カフェの名前は“bra tid”(ブローティッド)。スウェーデン語で「素敵な時間」という意味で、近所の人々がひと息つけるようなカフェにしたくて名付けたそうです。店内のインテリアはTさんのご友人がコーディネートしました。また、パン作りが得意なご友人が作ったものを、お店でお出ししたこともあるそうです。Tさんの次の夢は、このカフェを新たに人と人がコラボレーションできるような場にすること。お店がどう成長していくのか、楽しみです。

『カフェのある家』